相続

2013年07月15日

【第18回】賃貸&併用住宅フェアに行ってみました

建築家さんからのプラン提案を待つ間、別の動きもしていました。

住宅展示場で開催される『賃貸&併用住宅フェア』に顔を出したのです。

このフェアは新聞の広告で知りました。普段ならそのまま読み飛ばしていましたが、偶然にも賃貸経営セミナーの講師に知人の名前を発見したのです。

 

その方は住宅ジャーナリストのKさん。

知人と言っても、10年ほど前に何度か仕事をしたことがある程度の関係。私のことを覚えているかはわかりません。それでも話を聞くだけでも……と思い、セミナーに申し込みました。

 

20130716_koukoku

これが偶然発見した新聞広告。

 

 

セミナーでは意図的に最前列講師前の席を確保。

消費税が上がるとどうなるか、賃貸経営のメリットとリスク、一括借り上げ制度の内容など、話としては目新しい内容はありませんでした。

ひとつ力を込めて話していたのは、賃貸経営は土地条件でうまくいくかどうかがほぼ決まってしまうということ。

どれだけ立派な建物を建てても、周辺相場より高い家賃を設定すれば誰も入りません。入居者は見た目よりも駅から何分か、家賃はいくらかというほうを優先します。

 

セミナー終了後、参加者がKさんのもとに押し掛けます。みなさん個別に質問などをしたいようですね。しかしKさんはそれらをすべて断っています。

「申し訳ないですが、個別の相談などは一切受けていません」

参加者はしぶしぶ引きさがります。最後のほうで私もKさんに話しかけました。

Kさん、お久しぶりです。もう10年前になりますが一緒にお仕事させていただきました」

しばらく考えた後、私を思いだしてくれたようで

「おー、久しぶりだねえ。こんなところで何をやっているの?」

「実は賃貸経営を考えていて、たまたま新聞でKさんの名前を見つけたもので」

それからしばらく雑談を。本当は聞きたいことが山のようにあるのですが、参加者の視線があまりにも痛くとても話を切り出せません。もちろんKさんもそれに気づいていて、また仕事する機会があったら楽しもうと挨拶して別れました。

 

近いうちにじっくりお話が聞けるといいなと思いましたが、個別相談できないなら仕方ないですね。

 

☆今回の言葉☆

『住宅展示場』

説明するまでもなく、ハウスメーカーがモデルルームを展示している場所です。実は数年前から何度も展示場には足を運んでいました。実家の小さなスペースに家を建てたいと思っていると言いながら。

しかし、案外まともに話を聞いてくれないんですよね。たいていこちらがフリーランスであることを伝えた途端態度が変わります。

フリーランスはローンが通りにくい。

フリーランスは適当。

そんな印象をハウスメーカーも持っているのかなと感じたものです。

同時にこちらがまだ本気で計画を建てていないのを見透かされるのかもしれません。

よく住宅展示場に行くとその後ハウスメーカーからの営業電話に悩まされるという話を聞きますが、私のところには1社から1回かかってきただけです。

 

言うまでもありませんが、モデルハウスは見たものをそのまま鵜呑みにしてはいけません。

モデルハウスは広大なスペースに建てているので普通に見えても実際はかなり大きいもの。そのままのものが自分の土地にたつわけではありませんし、仕様だってかなり豪華になっています(オプションテンコ盛りなど)。家具も素敵なものが入っていますしね。

でも初めて行ったときはついそういうところに目が行くのも事実。

見学時のポイントはググるとたくさん出てきますので、事前に見ておくといいでしょう。
http://www.sbs-mhc.co.jp/guide/subindex/kengaku.html
http://iedukuri.web.fc2.com/information/tenji-mi.html
http://www.week.co.jp/housingkomachi/iedukuri-kihon/iedukuri-kihon1-1.php



takaman0123 at 11:46|PermalinkComments(0)

2013年07月13日

【第17回】あなたたちの土地、別の人が使っています

賃貸付きで7500万。そこに設計料と解体費がプラスされるのに肝心の賃貸での収入が見込めないという状況に目の前が真っ暗。そこに追い打ちをかけるように問題が出てきました。

これは建築家さんがプラン作成にあたり法務局で土地登記のことを調べてくれました過程でわかったものです。

 

●問題1:うちの土地を別の人が使っている

私の実家はもともと祖母の名義である土地を父の兄弟3人が相続で分配したものです。正方形に近い土地を3分割したのですが、祖母が亡くなる前からそこには家が建っていたし、兄弟と言うこともあって、相続時に実際の敷地を塀などで明確に区切ることをしていませんでした。

そのため登記上の分割と現状が異なっています。

具体的に言うと、うちの土地となる部分を裏に住む親せきが駐車場と花壇として使っているのです。世の中には『取得時効』というものがあるそうですね。親たちが土地を相続したのは私が10代後半のときなので、今回のケースは余裕でそれに当てはまる可能性があります。

 

●問題2:実家の下水管が別の土地に食いこんでいる

これは相続前に実家を建てたことによる問題。

実は当初私が予算2000万円で小さな家を建てようと思っていた場所には、その昔アパートがありました。裸電球の4畳半一間、当然風呂なし、トイレと水道は共同という、戦後間もない頃の平均的な間取り(←ほんと?)のアパートです。

その裏側に後から実家を建てたため、アパートを回避するように下水を通したのでしょう。その後の土地分割で我が家の下水が隣の敷地に入っているという事態になっていました。

 

問題2に関しては、全部建て替える際に新たな下水を作ることで回避できそうです。既存のものを使えない分、費用は上乗せされますが……。

頭が痛いのは、問題1

「家を建て替えるから返してね」と言って、すんなりOKがでるのか疑問です。返してもらうとお隣はクルマを置けなくなってしまいますからね……。

 

 

☆今回の言葉☆

『取得時効』

ざっくり言うと、他人のものでも長期間使っていれば所有権は使っていた人のものになりますよ、というもの。

Wikipediaによると、私たちのケースは境界紛争型。10年で時効が認められるケースと20年で認められるケースがあるようです。

親たちは兄弟だからと境界などを曖昧にしていままで来てしまいましたが、同じようなケースを抱えている方がいましたら、次の代のためにもはっきりさせた上で塀などできちんと分けることをお勧めします。



takaman0123 at 14:45|PermalinkComments(0)

2013年06月05日

【第5回】税理士から「バカ」と言われました

このようなブログでも読んで下さる方々がいるのに、すっかり放置していてすみません。

 

リアルな世界では古い家の解体が始まりました。いよいよ本番!と言う感じです。

しかしブログではまだ建築契約すらしておらず…。

なんとか実生活の進行に追い付き、タイムリーなネタにしようと思います。

でも、解体に入るまでにエントリー案が100個弱あるんですよね。どうしよう…。

 

本日は、相続税納税のために税理士と打ち合わせた時の話をしましょう。

 

相続する土地は前回書いたように法定相続分で分割します。

相続する土地(と建物)に住んでいるかどうかで税率が変わる部分はありますが、幸い家族4人とも全額控除を受けることができました。

 

問題は税理士さんとの会話です。

 

税理士「ところで、あなたはフリーランスになってどのくらい経つの?」

私「99年からですから、かれこれ12年経ちましたね~。よくやってきたと思いますよ」

税理士「そうだねえ…。やっぱあなたは“バカ”だよ」

私「へっ?」

税理士「なんで独立した時に法人登記しなかったの?」

私「なんでと言われても…。登記するのは面倒だし、万が一会社を潰したら大変じゃないですか。資本金の300万円もなかったし(当時は有限会社登記で資本金が300万円必要でした)」

税理士「潰したらとかいうけれど、食えなくなったら廃業するのはフリーでも一緒でしょう」

私「まあ、そうですが…」

税理士「あのね、たとえ規模が小さくても12期続いている法人が世の中でどれだけ信用力が高いと思う? あなたの仕事の場合“仕入れ”や“在庫”がないんだから、たとえ売り上げがゼロでも赤字にならないでしょう」

私「まあそうですねえ…(本当は経費がかかるので売り上げゼロだと赤字ですが)」

税理士「フリーランスはね、何年続けようがただのフリー。土地を相続したってことは家を建てたりすることもそのうち考えるでしょう。そのとき、辛いよ~」

 

……先生、そういうことは独立する前に教えて下さいよ。

 

☆今回の言葉☆

『法人登記』

会社を設立する際に法務省法務局に対して『株式会社登記』などを行うこと。法人にすることで社会的信用が増すだけでなく、個人資産の保護や税制面でのメリットがあるようです。(すみません。法人にしたことがないので詳しくはわからないです…)



takaman0123 at 16:42|PermalinkComments(0)

2013年05月01日

【第4回】遺言状~中身を具体的に書かないと遺されたものが困ります

21世紀になって間もない頃、父と私でこんな話をしたことがあります。

 

私「親父さあ、うちには遺産ってあるのか?」

父「この家以外、俺にそんなものがあるわけないだろう」

私「だろうなあ。家や土地は親兄弟できれいに分けられるものじゃないから、どうやって分配するのか親父のほうで考えておいてくれよ。親兄弟で喧嘩したくないからさ」

 

こんな会話を聞きつけた母は「親に対して死ぬ話をするとは何事だ!!」と私に激怒。

親父は息子から自分が死ねと言われたようで悲しんでいると。

そんなこと、言ってないんですけれど…。

 

近年は生前に遺言書を作成する人が増えていると聞きます。

骨肉の争いになるケースも多い遺産相続。キレイに割れる術がある、相続する人間が少数であるという場合以外は、自分の意思を示すためにも遺言と言う形できちんと遺産の分割方法を指示しておいたほうがいいかもしれませんね。

相続で揉めて身内が分解するのは、誰も望んでいないでしょうから。

 

数年後に父と飲む機会があり、そこで父から言われました。

父「お前から言われて俺もいろいろ考えてな。遺言書作ったわ」

私「そうか、よかったよかった。中身について聞くつもりはないけれど、そこに書いてある通りにするよ」

父「頼むぞ。父さんは家族みんなが仲良くいてくれることだけが望みだからな…」

 

さらに数年後、父は病に倒れ亡くなりました。あまりに突然の出来事で悲しむ暇もないほどでしたが、長く苦しまなかったのはよかったことだとも思っています。

 

喪中の慌ただしい日々がひと段落し、残った家族で相続の話が出ました。

父からの遺言もあるし、その通りにしよう。それが家族全員の意見です。

父からの遺言状を開けると…。

 

『この土地は家族が帰ってくる場所なので手放さないこと。父さんは家族が仲良く暮らしていくことが望みだ』

 

…………………えっ??

遺言ってこれだけ??

 

家族みんなが仲良く過ごしていくために意思を遺してほしいと頼んだら、本当に「仲良くしろ」という希望だけ遺した父。

 

呆れてしばらく誰も何も言えませんでしたが、税理士に頼んで土地を法定相続分で分割してもらい、共同名義で所有することになりました。

(母が1/2、残りを3人の子どもで1/3ずつ)

 

これが、のちのちの厄介事につながっていくのですが…。

 

 

 

☆今回の言葉☆

『遺言状』

死後の法律関係を定めるための最終意思表示。有効なものにするためには民法で定められた方式に則り作成しなくてはならない。方式はいくつかあるが、確実なのは公証役場で作ってもらう“公正証書遺言”でしょう。ちなみに私の父が作ったものはしいて言うなら“自筆証書遺言”にあたるでしょうが、どのくらい効力があるのかは疑問です…。

 

 

☆今回の言葉☆

『法定相続分』

遺言がない場合は遺産分割の話し合いをすることになりますが、合意が出来ない場合は民法で定められた形で遺産を相続します。相続人には内縁関係の人は含まれませんが、たとえば隠し子がいたり離婚した相手が引き取った子どもには相続の権利が。法定相続は放棄をすることも可能。また相続は資産だけでなく借金も相続します。

参考)国税庁/相続人の範囲と法定相続分



takaman0123 at 21:26|PermalinkComments(0)

【第3回】それでもフリーランスには圧倒的に『賃貸派』が多い理由

フリーで仕事をしている人の収入(売り上げ)は、本当にピンキリ。かる~く年収1000万円以上稼いでいる人だってゴロゴロいるわけです。

 

それでも多くの人は賃貸生活を送っています。

 

なぜか?

 

答えは簡単。フリーランスには『社会的信用』がありません。

数十年前に比べればフリーという生き方の認知は高まっていると思いますが、認知と信用は別物。

納期を守りつつ質の高い仕事をし、ギャランティに対しても一切文句を言わずにクライアントから信用を勝ち取っても、社会的信用とは一切関係ないのです。

 

サラリーマンには信じられないかもしれないですが、賃貸マンションやアパートへの入居を断られることだってあるんですよ。それも、あほみたいな高級マンションではなくごくごく普通の家賃の部屋で。もちろん家賃を払う自信はあるのに。私もこれを2回経験しています。

 

『売り上げ1000万円のフリーランスより売り上げ500万円の会社社長のほうが信用力がある』

 

賃貸入居すら断られるんだから、銀行から戸建て建設やマンション購入のためにお金を借りるなんて至難の業。

一度、自宅近くに建つマンションのモデルルームを冷やかしにいったとき、営業マンが出てきて冷やかな目でこう言われました。

「うちのマンションって35年ローンだと毎月これだけの返済になるんです。大変でしょう…」

金額は私が払っている家賃+駐車場代より4万円ほど安い。それでも35年返済するのは無理と門前払いされるんです。

よって、売れてるフリーランスでも圧倒的に賃貸派が多くなる。こんな理由で家賃50万円の賃貸に住んでいるカメラマンだっているんです。

 

だったら会社にすればいいじゃん。当然そう思いますよね。

でもね、これが出来る人はフリーなんかにならず、独立と同時に会社を立ち上げています。

 

元来面倒くさいのが苦手な人が、フリーランスになっている。それも信用力のなさにつながるのでしょうね。

仕事はそこらの会社より真面目にやるんだけれど。

 

最近はノマドワーカーやフリーランスに憧れる人も多いと聞きますが、やるなら最初からきちんとしたほうがいいですよ。

 

 

☆今回の言葉☆

『フリーランス』

法人形態にせず一匹狼で仕事をしている人間のこと。仕事さえきちんとしていれば取引先からの信用はある程度得られるが、企業から見れば景気の浮き沈みによって簡単に切りやすい便利な使い捨て労働力でもある。また企業によってはフリーランスとは取引をしないというところも多々ある。それでもその企業と仕事をする場合、間に代理店が絡んできて上前を撥ねられる。



takaman0123 at 21:23|PermalinkComments(3)


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