トラブル・事件・問題点

2013年09月18日

【第20回】住宅展示場に行ってわかった「お手上げ状態」

今回は、2か月前に投稿した「【第18回】賃貸&併用住宅フェアに行ってみました」の続きになります(サボっていてすみません。やっと仕事が落ち着きました…)。

 

セミナーでのお勉強、そして住宅ジャーナリストのKさんとの出会い。なんとなくですが、「自分でも賃貸併用住宅なら実現できるのではないか…」という気持ちになってきました。

セミナーは午前中で終わるので、軽く食事をした後に展示場に出展するハウスメーカーのモデルルームを見てみることに。

 

モデルルームの内外装は、それはそれは立派で夢あふれるものです。

「ここまで仕上げるにはいったいいくら必要なんだろう…」

と思いながらウロウロしていると、営業の方が声をかけてきてくれます。

 

「いかがですか?」

「とても素敵ですね。こんなところで暮らせたらいいですね~」

「ありがとうございます。ところで、本日いらしたということは賃貸併用をお考えで?」

「そうなんですよ。やっぱ資金面で心配もありますかね」

「もう具体的な計画はされているのですか?」

「実は今、建築家の方と話をしているのです。しかしハウスメーカーさんも見てみて、いろいろ勉強したいと思ってね…」

 

展示場をなんとなく覗いたときは営業の方に話しかけられるのは困ったものですが、セミナーを受けて気分が盛り上がっていることもあり、自然に口から言葉が出てきます。

営業さんに勧められるままテーブルに腰をおろして話をしていると、

「建築予定地を教えてもらってもいいですか?」

と聞かれます。住所を伝え営業さんが裏に引っ込むと、しばらくして渋い顔をして戻ってきます。

 

「大変申し上げにくいのですが…。弊社ではフリーマンさんのお力になれそうもありません」

「へっ?????? まだ何も話していないのに、どういうことですか?」

「計画されている土地に接する道路が狭すぎるのです…」

 

このブログを読んでくださっている方は事前の情報収集をしっかり行われているでしょうからすでにお気づきでしょう。

ハウスメーカーの多くは事前に工場である程度部品を作ってからトラックで現場に運んでくるところが増えています。

ところが14でも書いたとおり、今回の計画地に接する道はみなし道路で道幅2m。もっとも細い部分は5ナンバー車がミラーを畳んでギリギリ通れるくらいです。とてもじゃないですが、組み立てたパーツを積んだトラックやクレーンが入ってこれません。

 

「まったく話にならない感じですか?」

「そうなんですよ。あり得ないですが、仮に組み立てたものを最後に手で運ぶ計画を立てても、その距離が軽く100m以上あるので近隣への影響を考えるとやはりお受けできません」

「………………」

 

肩を落としながら2つ目のモデルハウスに足を運んだものの、対応してくれた営業担当の方の反応は同じ。

最後の方はモデルハウスも見ずに営業担当者を捕まえ、「ほかはできないと言っているが、御社はどお?」と聞いて回る始末です。

5社ほどに聞きましたが、結局全部…。思わぬところで暗礁に乗り上げてしまいました。

 

☆今回の言葉☆

『工場品質』

セキスイハイムは家づくりを工場で行うというCMもありましたが
 


現在、ほとんどハウスメーカーは大小こそあれ、工場で部品を作り、それを現場に持ってきて組み立てます。

そのほうが品質が安定する、ラインで作るためコストが抑えられるなどのメリットがあるようですね。

ただ、家の部品はそれなりの大きさになるため、大きなトラックで運ばなくてはなりません。また重い部品はクレーンで吊り上げる必要も出てきます。

今回の現場は、トラック、クレーンともに入れないと言われました。

鉄骨造、RC2×4…。

軒並み断られ、正直まいっています……。



takaman0123 at 19:22|PermalinkComments(0)

2013年09月07日

【第19回】2013年9月7日 現状報告~トラブル発生

「なんですってっ!!!!!!!!!!

 

長く更新をさぼって申し訳ありません。

7月後半から急に仕事がばたついてしまい、ブログが更新できませんでした。

そんな中でも工事は着々と進んで…といいたいのですが、約2カ月ぶりの更新は叫びから始まります。

 

現状がどうなっているかと言うと、地鎮祭が終わり、まずは基礎工事。

「基礎が終わると次はコンクリートを流します。そうなるともう基礎が見れなくなりますから一度見に来てくださいよ」

工事担当者さんから連絡をもらい、行ってきました。

いやあ壮観。

工事担当の方も張り切っています。

 

問題はこの後に勃発です。

数日後、工事担当者さんから電話がかかってきました。

 

「先日話した通り、コンクリートを流し始めたんですけれどね…。しばらく工事を中止せざるを得なくなりました」

 

「なんですってっ!!!!!!!!!!

 

話を聞くと、コンクリートを流している間に近隣から警察にクレームが入り、交番からお巡りさんがやってきたそうです。

こちらは工事申請も出しているし、工事を行っているのは日中。何も非はないのですが、お巡りさんもクレームが来た以上何かしないといけないらしく・・・。なんとかならないかと。

もちろん警察に工事を止める権限はないのですが、少し工事を止めることにしたとのことです。

 

個人情報保護もあり、警察はクレームの主が誰だか教えてくれません。

こちらは工事を始める前に近所への挨拶を広範囲にしたつもりですが、どこかで漏れたか。

あるいは内の現場の周囲でいろいろな工事が集中しているため、近所の誰かがブチ切れたか。

 

怒っている主がわからないのでどうしようもないのですが、工事担当者さんは

「まあ大丈夫でしょう。うまくやりますわ」

と笑っています。

営業担当者も

「現場がとくに何も言っていなかったので、問題はないでしょう」

と笑っています。

 

頼もしすぎますわ。

あるいは私を不安にさせないために口裏を合わせているのか…。

 

いずれにしても、ドキドキです。

 

☆今回の言葉☆

『近隣クレーム』

現場で大きなものを組み立てる建設工事では、クレームが発生した時の対応に建設会社や職人さんの力量が表れることを痛感しています。

たとえばうちの隣で工事している業者は、まだ私たちの工事が始まる前に、勝手にうちの敷地に車を止めたりしていました。文句をいってもやめる気配なし。さらに別の場所にゴミを勝手に捨てたり吸殻を散らかしたり・・・。

業者さんは現場が終われば去りますが、そこには施主が暮らします。工事中のしこりは施主が引き継がなくてはなりません。

幸い私がお願いしているハウスメーカーはそのあたりを徹底してくれています。更にとなりをやっているいい加減な業者とも「うまくやりますよ」と話してくれたり、こっちに飛び火しそうな態度はうまく是正させてくれているようです。

こういう教育をしっかりしているところに仕事をお願いできて安心しています。

 



takaman0123 at 16:04|PermalinkComments(0)

2013年07月13日

【第17回】あなたたちの土地、別の人が使っています

賃貸付きで7500万。そこに設計料と解体費がプラスされるのに肝心の賃貸での収入が見込めないという状況に目の前が真っ暗。そこに追い打ちをかけるように問題が出てきました。

これは建築家さんがプラン作成にあたり法務局で土地登記のことを調べてくれました過程でわかったものです。

 

●問題1:うちの土地を別の人が使っている

私の実家はもともと祖母の名義である土地を父の兄弟3人が相続で分配したものです。正方形に近い土地を3分割したのですが、祖母が亡くなる前からそこには家が建っていたし、兄弟と言うこともあって、相続時に実際の敷地を塀などで明確に区切ることをしていませんでした。

そのため登記上の分割と現状が異なっています。

具体的に言うと、うちの土地となる部分を裏に住む親せきが駐車場と花壇として使っているのです。世の中には『取得時効』というものがあるそうですね。親たちが土地を相続したのは私が10代後半のときなので、今回のケースは余裕でそれに当てはまる可能性があります。

 

●問題2:実家の下水管が別の土地に食いこんでいる

これは相続前に実家を建てたことによる問題。

実は当初私が予算2000万円で小さな家を建てようと思っていた場所には、その昔アパートがありました。裸電球の4畳半一間、当然風呂なし、トイレと水道は共同という、戦後間もない頃の平均的な間取り(←ほんと?)のアパートです。

その裏側に後から実家を建てたため、アパートを回避するように下水を通したのでしょう。その後の土地分割で我が家の下水が隣の敷地に入っているという事態になっていました。

 

問題2に関しては、全部建て替える際に新たな下水を作ることで回避できそうです。既存のものを使えない分、費用は上乗せされますが……。

頭が痛いのは、問題1

「家を建て替えるから返してね」と言って、すんなりOKがでるのか疑問です。返してもらうとお隣はクルマを置けなくなってしまいますからね……。

 

 

☆今回の言葉☆

『取得時効』

ざっくり言うと、他人のものでも長期間使っていれば所有権は使っていた人のものになりますよ、というもの。

Wikipediaによると、私たちのケースは境界紛争型。10年で時効が認められるケースと20年で認められるケースがあるようです。

親たちは兄弟だからと境界などを曖昧にしていままで来てしまいましたが、同じようなケースを抱えている方がいましたら、次の代のためにもはっきりさせた上で塀などできちんと分けることをお勧めします。



takaman0123 at 14:45|PermalinkComments(0)

【第16回】建築家さんのプラン『ブリッジのある家』

そんなわけで建築家さんからプランが上がってきたわけですが、諸般の事情により彼が作ってくれた図面をここに掲載することはできません(申し訳ないです)。

でも建築家さんが作ってくれたプランはすごく素敵なものです。

 

東西に長い土地(南が隣家に接近している状態)で光を存分に取り入れられるよう設けられた中庭。そこには現在実家にある紅葉と梅の木を活かせるようなデザインになっています。

母+妹宅は16帖のLDKとそこから中庭につながる形で置かれたウッドデッキ。

オーナー宅は18帖のLDK。中庭で開放的になっているため光が存分に差し込みます。

主寝室と子ども部屋は3階に。主寝室には10帖以上あるウッドデッキと繋がり、さらに賃貸部分の屋上もルーフバルコニーとして使えます。ここでバーベキューなんかしたら最高でしょう。

 

これはプランA。全部で3案提示いただいたので、それぞれどんな感じかをテキストで(図面出したいなあ)。

 

 

【プランB

1Fは母+妹宅。

17.5帖のLDKに二人の寝室。

もちろん中庭があり、デッキテラスがふたつ。リビングのデッキテラスはそのまま中庭へと続く開放感。

1Fには母宅とオーナー宅で共用できる客間も設置。

そして2階がオーナー宅。

LDKはどーんと28帖! ゆとりあるアイランドキッチンに3帖ほどの                                                                      パントレーも。

 

【プランC

オーナー宅、母+妹宅をそれぞれ2階建てで配置。中央に大きな中庭を作ることでプライバシーに配置しつつコミュニケーションも生まれるように。

このプランの目玉は、オーナー宅の仕事部屋には中庭の上にかけられた“ブリッジ”を渡っていく。ブリッジを渡ることでオンとオフの切り替えが出来るように。

イメージはこんな感じですかね?ブリッジの下がリビングではなく中庭になるのです。

 

もうね、素敵過ぎるんですよ。とくにプランCのブリッジなんて(間違いなく『ブリッジのある家』とかいう名前で雑誌に掲載されたりするんじゃないかな)私も家内もうっとりです。

 

ただ……。当ブログで何度か書いたように、今回の計画は賃貸ありきの話。プランAの賃貸では収支バランスがよくない。BCにいたっては賃貸の話は完全に消え去っています。

そのことを建築家さんにただすと……。

「家はあくまで家族のもの。家族のプライバシーを最優先に考えたほうがいいでしょう。賃貸併用になるとどうしてもプライベートは薄れます。それに賃貸スペースを作る分、予算も上がってしまいますよ」

そうはいうものの、母からの資金提供がない中でこんなに広い二世帯住宅なんか建てられるわけがない。

私「ちなみにこのプランだと建築費はどのくらいかかるのでしょう?」

建築家「正確な計算は現状ではまだできないので非常に大まかなイメージになりますが…。賃貸のついたプランAだと7500万円くらい、BC4500万~5000万円見ていただければ余裕だと思います」

 

この金額を言われた瞬間、私ごときしがないフリーランスが家を持つというのは夢のまた夢なんだと悟りました。

目の前ではしゃいでいる母と妹にどうやって諦めさせたらいいのだろう…。

 

☆今回の言葉☆

『家はあくまで家族のもの』

まったくもっておっしゃる通り。これは家を建てる際の根幹となるものでしょう。

プランAとプランBCでは2階建て、3階建てという違いはあるものの、賃貸がつくとなぜこれほど高くなるのか。ご存知の方も多いと思いますが、答えは水回りの数が増えるからです。キッチン、トイレ、お風呂はそれぞれ給排水が必要になります。この設備と工事にお金がかかるのです。

ちなみに2世帯住宅でコストを抑えたいなら、玄関・水回りを供用にすること。しかし互いのプライバシーはなくなります。



takaman0123 at 00:19|PermalinkComments(0)

2013年07月12日

【第15回】建築家さんからプランが提案されました

初回打ち合わせから約3週間。建築家さんと再び会うことになりました。

私たちの話をもとに作成したプラン(計画案)が出来あがったのです。

 

彼はまずこう切り出しました。

「今回の計画はオーナー宅、そしてオーナー家族宅が絡む話になります。ここにゆとりを持たることから考えています」

 

あれ?

私の方では最初の打ち合わせで「今回の計画は賃貸ありき。そこが十分にとれないと話が始まらない」と話したはずなんですが……。賃貸が希望通りに取れていればいいのですが、建ぺい率や容積率もあるし、大丈夫かな。一抹の不安がよぎります。

 

そして図面が広げられ、建築家さんの説明が始まります。

母と妹は「へえ」「素敵~」と言いながら彼の説明を聞いています。一方の僕は目が点、甘玉は真っ白です。そこにはオーナースペースと比較すると、あまりにも小さい賃貸スペースがちょこんとあるだけ。広めの1K4部屋以上を考えていたのに、わずか16㎡の1ルームが申し訳なさそうにあるだけ。バスルームすらありません(一応シャワールームはついているけれど……)

 

「あの……」

建築家さんの話を遮り、思わず声が出てしまいました。

「賃貸スペースってこれだけですか?」

建築家さんは最後に説明しようと思っていたようですが、僕が口をはさんだので話を切り替えて賃貸の説明を。

「賃貸併用の場合、大切なのはオーナー宅の独立性です。そこで今回のプランでは外階段を使ってオーナー宅と賃貸部分を分けています。オーナー宅に必要なのはゆとり。すると今回の敷地ではこの賃貸スペースが限度なのです」

「マジっすか……」

とっさに頭でそろばんをはじく私。このスペースだと家賃はとれて一室6万円。4部屋で24万円ということは、毎月の持ち出しがかなり激しくなる。そこに維持費、部屋が埋まっていない時の持ち出し、下の妹への土地使用代(一緒に暮さない妹も土地の名義人になっているので)……。

 

無理じゃん、この計画。

 

☆今回の言葉☆

『計画案』

建築主の希望を聞き、実際に建築する土地にどのような建物を建てられるかを建築家が提案してくれます。第一回目はたたき台の意味合いも強いでしょうが、同時に私たちはこれである程度のイメージを膨らませます。コンペをしている場合はここで依頼する建築家が決まってくる場合も少ないくないでしょう。

初回提案は無料でお願いできる建築家も少なくないようですね。

どれだけ素敵なものを提案してくれるか。建築主にとっては夢が膨らむ時間であります。

 



takaman0123 at 17:09|PermalinkComments(0)


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